白人による人種差別が激しいエイリスの植民地。
南アフリカ総督をはじめとする総督府の貴族たちにより、表向きは現地人の自治権を確保する形で、人種ごとの隔離政策がとられている。
エイリスの植民地だが支配は行われていない。
かつて艦隊を率いてこの星域を征服しに来たエイリス軍は、原住民アボリ人が操る大怪獣(だいかいじゅう)ガワタスガル・ビゥの攻撃に大敗を喫し、撤退を余儀なくされた。
しかし温厚なアボリ人は、姿勢を変えたエイリス軍を「仲良くするならかまわない」とあっさりと受け入れ、星域への駐留を許した。
現在もその関係は続いていて、駐留軍はアボリ人には一切干渉できず、アボリ人が受け入れた他国の研究者とともにガワタスガル・ビゥ上で怪獣操りの秘密を調査するに留まっている。
広大な星域と莫大な人口を誇る、エイリスの経済の要である植民地。
エイリスの上級貴族が多数投資している巨大企業「東インド会社」の本社があり、エイリスとアジア星海域、アラビア・アフリカ星海域の貿易の拠点になっている。
エイリス貴族に搾取され続けているエイリスの植民地。
貴族が制定した身分差別もひどく、主星マレーの虎では市民が三つの階級に分けられ、最下層の市民は人権を無視された扱いを受けている。
高密度の雲のような物質で覆われたエリアが点在するエイリスの植民地。
そのエリア内ではあらゆる艦の空調が役に立たず、乗員は不快指数100%の高温多湿空間に苛まれることになる。
星域の半分が未開の地で占められているエイリスの植民地。
ケニア星域の半分は「暗黒エリア」と呼ばれるレーダーも目視も通用しない空間になっていて、現在の先進国の技術では航行できない。
その為、征服から二世紀近く過ぎた現在でも、エイリスが支配しているのは暗黒エリアが少ない主星ケニアを中心にした宙域に限られている。
一方、暗黒エリアの奥地には原住民の暗黒人(あんこくじん)が住んでおり、未だにエイリスの支配宙域に現れては反撃を繰り返している。