この女は、マルデって名前なんだと。
俺は面識がねぇから、番組スタッフに調べさせてきた。
なんでも街の宿屋のおかみで、えらくがめついらしい。
スタッフは交渉の果てに取材費として１０ＧＯＬＤむしり取られた
って言ってたが、言い負かされてのこのこ帰ってきた以上は
自腹で済ませとけ。
で、この耳はなんなんだ？　妖怪じゃあるまいし。
あ？　「いいのいいの、気にしないで」って言われた？
こっちの小脇に抱えた生き物はなんなんだよ。
ああ？　「いいのいいの、気にしないで」って言われた？
あー、お前（番組スタッフ）、後で切り裂き決定な。

この女は、夢色・パニィ（ゆめいろ・ぱにぃ）。
変な名前だが乳は立派だ。
闘神大会の試合の勝敗で賭け事ができる都市公認の施設
「トトカルチョ会場」で、司会などをして働いている。
ん、「トトカルチョは『サッカーくじ』って意味じゃないのか」だと？
そりゃ、どっかの異世界の話だろ。
この街では、この賭けを考案したのがトトカルチョ氏だと言われてる。
あ、闘神トトカルチョは不正防止の為、大会出場者と
そのパートナーと都市職員は参加できねぇからな。
闘神大会に出場するつもりだったら、賭けるのはあきらめろ。

このアマは、リココ・ココリコという道具屋だ。
なんでも、客に偉そうな態度をとるので有名らしい。
チビガキのくせに無礼な奴だ。
俺はこいつの「ココリコ」って店には行ったことがねぇが、
そのうち遭遇したら、ぶっ殺してやるかもな。
ふっ、切り裂き稼業も楽じゃねぇぜ。

この女は、ディーナ・ヴァリエッタ。
鉄壁の警備を売りにした高級宿「アルカトラズ」のオーナー兼警備主任だ。
元は腕利きの傭兵だったのが、片目を失って身の振り方を考えていたところ、
アルカトラズグループから誘いを受けて雇われたそうだ。
だから雇われオーナーだな。厳しくて強い、いい女だぜ。
アルカトラズは大陸各地にいくつかあって、どこも刑務所みたいな
高い塀で囲んだ中に、リゾート感あふれる優雅な客室を作っていて、
金持ちどもに愛用されている。
闘神都市のやつも客室のひとつひとつが一軒家なんだとよ。
俺はこの街には自宅があるから泊まったことはねぇが、外国に行くなら、
アルカトラズに泊まるつもりだぜ。有名人だからな！
あ？　違うっての、見栄なんか張ってねぇぞ！